課題吟 課題吟の考え方
課題吟で陥りやすいミス
課題吟のポイント
 

課題吟で陥りやすいミス

 
   


 初心者が誤りやすいのは、課題を読み込まないということを、課題を別のコトバで説明すればいいと考える点です。
 例えば、「喜び」というのを説明しようとして、「悲しみの反対」という類です。
 例えば、課題が「黄色」だからといって、
          ゆで卵ふたつに割った中の色
 では、色の説明にしかなりません。

 しかし、こんな極端ではなくても、課題を読み込まない場合の作品には、多かれ少なかれこの危険が含まれてはいます。
          黒き布がしずかに降りてくるごとし
 とあっても、これだけでは−句全体が比喩で、何のことを言っているのかわかりません。
 ですが、課題が「眠り」だと知れば、なるほど、と思います。

 このように、課題を添えてみれば面白さがあっても、課題を引き離してしまうと句意が 不明になるというのは、−句に独立性がないことで、作品としてはもちろん失敗となるのです。

 ある課題によって作られたにせよ、その課題を切り離して、完結した内容を持っていな ければ、作品とは呼べません。