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第6部 記念句会は、五つの課題で行われ、各題とも三才、五客、佳作30章の38句が入選と決まりました。結果は以下の通りです。 |
「生きる」
太田 紀伊子選
<天>
生かされて生き長らえて花も咲く わかち 愛
<地>
闘魂を胸に川柳人に生き
三浦 哲夫
<人>
生きている証おいしく食べられる
山下ひろたね
<五客>
蟻の列ダムの中止を知らぬまま
津田 暹
地球儀の上で銃口まだ生きる
石川 蝶平
ゴンドラの唄がブランコから聞こえ
山田こいし
飼い犬が終身刑に尻尾振り
藤井 末成
ジャガイモと南瓜私の救世主
島崎 穂花
*
あの世まで踊る阿呆の面でゆく
渡辺 梢
いのち燦燦介護ベッドの笑い声
橋本 祐子
生きるとは何かと結跏趺座を組む 古俣 麻子
切られても切られてもある命綱 島崎 肇
オレなりの仕事を見つけ朝を待つ
三浦 哲夫
締切りがないのでズルズルと生きる
松尾 冬彦
リハーサルもない人生を生きる日々
荒瀬 ま喜
絶命のまだ目は見えている 前へ
高鶴 礼子
花の種嘘をつかずに生きてきた
佐藤 美文
長生きをすれば町から褒美でる
林 比佐史
百才を生きるは神のプレゼント 松井 文子
まあだだよ百歳へ向く歩の運び
千葉 綾
観音の手はまねくやら拒むやら
木田やせ蛙
生きるため履歴書書いた数知れず
あらしどくまむし
昭和から永らえて来たど根性
藤原 和美
生き方の違い秋にも咲くサクラ
二宮 茂男
またひとつ命のかたち見てる庭 藤森 吟二
手を当てて胎の鼓動を聞いている
山田こいし
生きるのよやっと授かる孫双子 山口 初江
死を見つめ生きるアフガンつぶらな目
長峰真紀子
シナリオは自作自演で生きている
尾川 柳蔵
風雪を生きて白髪の梅二輪
藤森 吟二
コンビニの値下げ弁当あてに生き 松尾 仙影
水腹にひと夜しのげるダンボール 沢辺 祥子
炊き出しに給付が切れて伸びる列
佐藤権兵衛
又千里生きて会いたし鶴彬
佐田 昭子
生きて知る戦に耐えた父母の恩
古市 堅忍
生きているか生きているよと電話口
坂倉 敏夫
長女の業受け継いでいる走り癖
山口 早苗
生き方を戦死の父に教えられ
片倉 清子
「暁」 佐藤 美文選
<天>
聞き役になって暁共にする
松尾 仙影
<地>
太陽が昇る採用通知から
古俣 麻子
<人>
しらじらと明け鶴彬何おもう
千葉 綾
<五客>
竹槍が暁を刺す蟻の道
石川 蝶平
暁に働く人の音がする
加藤 胖
昭和史がリンゴの歌で再起する
島崎 穂花
母さんと呼ぶ暁は今もある
石川 蝶平
政権に暁託す新日本
片倉 清子
*
政権の波モノクロに夜明け前
藤原 和美
暁に飛んで来たのは味方の矢
山下ひろたね
暁の向こう可憐な花もある
船木 千夢
弱肉が未明に並ぶ水飲み場
瀧 正治
暁を胎に抱いて母となる
山田こいし
暁を貫くライバルの訃報
松尾 冬彦
生還のベッドへあかあかと夜明け
渡辺 梢
お日さまは正しく今日もやってくる
大嶋都嗣子
コンビニが眠そうにいる夜明け前
安藤 紀楽
暁を知らぬオタクのメラトニン
牧内ヨシ江
余生とはいうまい暁を愛でる
渡辺 梢
不夜城の夜明け無言の人の列
内田 博柳
朝日ひとすじ僕をリセット
橋本 祐子
暁にバラ付きのある日本地図
山口 早苗
トップ代わり格差の闇に薄明かり
安藤 紀楽
後期高齢暁を突く背伸びする
西来 みわ
暁のカラス出撃ゴミ悲鳴
二宮 茂男
いい天気一番鶏に教えられ
葛西 清
暁を仰ぎお達者万歩計
加藤 佳子
好きなこと夢中になって白む空
染谷さくら
ご来光羅漢の私語が聞え出し
内田 博柳
暁の中から豆腐屋のラッパ
山口 早苗
うれいあり暁の夢たださんと
荒瀬 ま喜
マージャンの欠伸を殺す徹夜組
島崎 肇
ニートらも職さえあれば夜は明ける 菊地 ミネ
暁か暗か民主の腹の虫
牧内ヨシ江
爪に灯をともした暁の介護制度
(無呼名)
暁の門いでて帰らぬ少年兵
伊藤 哲子
暁をひたすら走る都落ち
松尾 冬彦
暁の種はこぶしの胎に爆ぜ
尾藤 一泉
「火花」 西来 みわ選
<天>
時代との火花に果てし鶴彬
永田 吉文
<地>
玄関を出ると火花が降ってくる
松尾 冬彦
<人>
議事堂の火花は派手な方がいい
渡辺 梢
<五客>
火花散らして鍬が出来鎌ができ
佐藤 美文
火打石兄はいくさを帰らない
福島 久子
親権を子に選ばせる親の愛
染谷さくら
花火から疼く脳裏の焼夷弾
内田 博柳
綱ふたつ千秋楽の意地と意地
島崎 肇
*
豪快な火花を上げよ町工場
藤原 和美
火吹き竹維新の火花知っている 瀧 正治
火花散る次の国会見てみたい 片倉 清子
溶接の火花に耐えた父の顔
高橋いく子
耐え抜いてふいに火を噴く休火山
二宮 茂男
B面の俺に火花は似合わない 藤森 吟二
身の内の火の粉をはらうタイミング
千葉 綾
鉛筆の先で火花を捜してる
加藤 佳子
反論の火花若さを持て余す
佐藤 美文
笑み交す目は対角に火花散る
山下ひろたね
体制を変えようとして散る火花
佐藤権兵衛
閉じた目にねずみの跳ねる影映る
齋藤ふじお
百日紅火花のような花をつけ
加藤 胖
血の色を選ぶと火花するこぶし
尾藤 一泉
散る火花仮面舞踏が終わらない
石川 蝶平
火種にも火花にもなる遺言書
島崎 穂花
改革の火花で弱者火傷する
島崎 穂花
生きているだから火山の自己主張
葛西 清
名門の狭さ炸裂する火花
古俣 麻子
曼珠沙華火花散らした遠い恋
福島 久子
店じまい衝動買いが火花する
松尾 仙影
火花散る男を弾き出す愚策
瀧 正治
鼻歌と火花が消えた町工場
長峰 アイ
ゲバ棒の先から飛び火する主張 安藤 紀楽
近づくと火傷しそうな嫁姑
加藤 胖
揺れながら老いの火花を燃やしてる
葛西 清
七色の火花埋ずめてます女
橋本 祐子
建前と本名を分けるお家芸
石橋けいか
大物を揃え五輪へ散る火花
斎藤 弘美
ときどきは火花散らして五十年
津田 暹
「反発」 菅原孝之助 選
<天>
不機嫌を母の乳房に吸いとられ
山田こいし
<地>
正論を通すに邪魔な修飾語
佐藤 美文
<人>
ポケットの深さを知らぬ反抗期
佐藤 美文
<五客>
反骨の背にぬくぬくと鳴かぬ虫
尾藤 一泉
反発がいまも少しはある絆
大嶋都嗣子
反発を買って出るほど強くない
齋藤ふじお
火花さえ散らぬ親子のわだかまり
船木 千夢
反発をするたび太くする根っ子
松尾 冬彦
*
縦社会嫌う世代が横に振れ
藤井 末成
子に蹴ったボールが倍に跳ね返る 島崎 肇
地の叫び突然食らう地球人
菊地 ミネ
美意識を持つ娘が父を汚がる 瀧 正治
悪政を引っ繰り返す底力
佐藤権兵衛
反抗期弁当箱が出してない
西来 みわ
頑なな一人ぐらしも楽じゃない
福島 久子
補聴器の拾う言葉に反発す
佐田 昭子
コーランと聖書互いに銃を向け
島崎 穂花
横綱とガッツポーズは似合わない
速川 美竹
もう止めた株が底値を切り上げる
二宮 茂男
ゲージから出ようとしない朱鷺もいる
津田 暹
母さんにノー言ってから考える
長峰 アイ
壁叩く壁から叩き返される
山口 早苗
低反発ソファのような女(ひと)でした
橋本 祐子
反発や蛙のままで王子死す
高鶴 礼子
はねかえす心が欠けていた躾
西来 みわ
尻尾だけ血であたためる引き籠り
尾藤 一泉
素直な子扉とざして自己主張
片倉 清子
重箱の隅の火種で巻き返し
内田 博柳
似たものが反発をする嫁姑
加藤 胖
エンドレス介護 負担の不公平
船木 千夢
ドーナツの穴に無理強い通せない
藤原 和美
善人の靴で反発などとても
大嶋都嗣子
振り出しに戻り反論研ぎ澄ます
津田 暹
反発の力まだある さすが父
山口 初江
反発の目に遠い日のボクがいる
古俣 麻子
景気よい予算のあとにツケがくる
石橋けいか
友愛へ軍事パレード見せつける
松永 昇児
柘榴バギバギわたし第三反抗期
橋本 祐子
「ぬくぬく」 山崎 蒼平選
<天>
井の中の温みから出ぬ川やなぎ
三浦 哲夫
<地>
鉄を喰いコンクリを喰い人を喰い
乱 鬼 龍
<人>
資源国強気な胡座くずさない
藤本 幸雄
<五客>
北極のクマが毛皮を脱ぎ捨てる
島崎 肇
背に赤児ぬくぬく春の唐辛子
荒瀬 ま喜
ブランドの中で埋もれている欠伸
船木 千夢
九条を昼行灯にして平和
安藤 紀楽
大仏の体内温度にて発芽
藤原 和美
*
ぬくぬくと戦車の影の宝箱
石川 蝶平
里帰りすると娘は長居する
齋藤ふじお
海外の紛争それは他人事
古市 堅忍
泥水の味は知らないペルシャ猫
島崎 穂花
政治家に三代続くぬいぐるみ
島崎 肇
靴紐がゆるむ他人の傘の中
津田 暹
妻の手がこんなに温い定年日
古俣 麻子
出戻って父母喜んでする子守り
牧内ヨシ江
親の背をこえてぬくぬくニートの子
中沢みき子
煮豆ぬくぬく男ぬくぬくみんな嘘
高鶴 礼子
湯たんぽと地球思のエコ暮らし
二宮 茂男
血税を絞って飲んでる紅い酒
薄田 正明
手と足を投げてやっぱりマイホーム
齋藤ふじお
おでん屋の湯気の中から民主党
山口 早苗
パン屑の中でぬくぬく爪を研ぐ
石川 蝶平
政権の旨味隠して五十年
加藤 佳子
ぬくぬくと暮らさせないぞ派遣法
西巻ぺんぺん草
崩壊の地球の上の大富豪
乱 鬼 龍
背伸びもせずに夕焼けを見ています
佐藤 美文
反骨のさいごに洗う首ひとつ
尾藤 一泉
黒幕に居心地がいい世襲制
福島 久子
ぬくぬくと足湯戦争知らぬ子ら
千葉 綾
温室で等身大を見失う
佐藤 美文
ぬくぬくと育って権利のみ主張
片倉 清子
のほほんと明日は明日の風の向き
林 比佐史
溺愛の子等はサンタをまだ信じ
山下ひろたね
法の網逃れ巨悪がまた肥える
藤本 幸雄
天下り三度目の職そっと就き
斎藤 弘美
日だまりの方へ口開く蟻地獄
藤原 和美
ぬくぬくと生きて他国の核の傘
加藤 胖
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