タンカの材料

 テンペラ画などと同様、膠による地塗りが行われます。
 膠の種類は、特に動物の種類を特定していませんが、動物の革から取った「皮革膠」で、ラマズ・タンカ・センターでは、インド産の黒色に近い板膠が使われています。
 使用する膠液濃度が薄いため、ほとんど色は問題になりません。

 

 綿布

 支持体は主に綿布(セト)が使われます。調達は、街の生地屋で行われます。現在は、通常ネパール、インド、または中国製造の工業的に生産されたものが使われます。ラマス・タンカセンターでは、ネパールで作られるタンカ専用の目がつんで、織りムラのない綿布が使われています。
 古くチベットでは、18 インチより広い絵においては、ローカルな織機が幅広い布を生産できないため、しばしば2枚の布を接合する縦の継ぎ目がありました。

ターゴゥ(細い綿糸)と

 綿布の周囲を袋縫いし、補強するときに使います。
 針は、縫製用の太目のものが使われます。

ドゥーリー・ターゴゥ(太い凧糸)

 袋縫いした綿布の周囲に通し、補強するための太い凧糸と、フレームに綿布を張るときに使う中くらいの太さの凧糸が使われます。

ストーンカラー

 鉱物を砕いて作るストーンカラー(岩絵具)が伝統的に使われてまいりました。
 今日では、入手の困難と、価格の極めて高価なことから、特別な注文でない限りは使われることが少なくなっています。

水彩絵具

 ストーンカラーに代わって、高級水彩絵具がタンカの制作に使われます。鉱物顔料に代わる「人工鉱物性顔料」を使用している高級絵具は、耐光性の面からもタンカの制作に向いた材料といえます。
 透明水彩、不透明水彩(ガッシュ)とも表現用途に応じて使用されています。
 「ツーリストグレード」の低級なタンカには、染料系の顔料を使用したポスターカラーなども使用されますが、耐光性の面でトラブルが起きているのもカトマンズの店頭で見かけます。

表装の錦

 表装用の錦布は、インド、中国から輸入されます。
 この作業は、通常、タンカ絵師の仕事ではなく、仕立て屋の仕事として別扱いになります。