| 油絵のトラブル 6 亀裂 |
| 現 象 | 絵具に亀裂(割れ)が生じる現象をいい、状態によって分類される。 @ ヘラヤック C 深割れ D ワニ割れ |
| 原 因 | @比較的厚塗りの生乾きの下層に乾燥の早い上層を重ねた場合。 A下層の乾性油分が上層のそれより際立って多く、固着性に問題が生じた場合。 B乾燥が不十分の作品に樹脂を多く含むニスを塗った場合。 C剛毛筆で厚塗りされたパートの筆跡の溝が割れる場合。 D熱や湿度といった環境変化により支持体の伸縮が発生し、その応力によって絵具層が割れる場合。 E運搬中に作品の表や裏から強い衝撃を受けた場合。 F乾性油と反応して物理的に強度の低い金属石鹸を生じるような顔料を多量に絵具層に含む場合。特に、ジンクホワイトの亀裂が顕著である。 G乾燥の固化が進み、キャンバスの収縮により絵の隅に力がかかり生じる。 |
| 対 策 | ≪制作段階≫ @ 油絵具の重ね方の基本である「乾性油分の少ない絵具層にそれより乾性油分の多い絵具層を重ねる」という法則を守る。 A下層より際立って乾燥性の高い絵具を重ねない。 B無理なシッカチーフによる乾燥性のみの向上を戒める。 C油を控えすぎたパサパサな絵具層を作らない。 D一気に描ききるか、下層の乾燥を待って上層を施す。 E極端な厚塗りを避ける。 F下層には、有機顔料系のボディーの弱い絵具を使用しない。 ≪完成段階≫ @作品の完全乾燥(早くとも半年以上)を待ってニスがけを行う。 ≪保存段階≫ @作品の保存環境を一定にして、支持体、画面の伸縮を抑える。 A画面に力が加わらない取り扱い、保存を行う。 |