| テンペラ画の作り方 |
| 1.膠液の作り方 2.前膠処理(支持体の下拵え) 3.和紙着せ 4.白亜地塗料の作り方 5.白亜地の作り方 6.白亜地の磨き方 7.下絵のトレース 8.メディウムの作り方 9.彩色の下拵え(インプリマトゥーラ) 10.絵具の溶き方 11.描 画 12.仕上ニス掛け |
| 1.膠液の作り方 | |||
| 【処方】 | 膠・・・・・ 1 水・・・・・10 |
水100g中に膠10gを投入し、3時間以上膨潤させます。湯煎器に熱湯をいれ、膨 潤させた膠水を湯煎(70℃以下)します。 |
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| 【用具】 | ビーカー……100cc
以上のガラス容器 湯煎器……ボール、手つき鍋など 布 ……湯煎鍋とビーカーを隔てる 温 度計……棒状 100℃用 |
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| 2.前膠処理(支持体の下拵え) | |||
| 【処方】 | 膠・・・・・ 1 水・・・・・10 |
水100g中に膠10gを投入し、3時間以上膨潤させます。湯煎器に熱湯をいれ、膨 潤させた膠水を湯煎(70℃以下)します。 |
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| 【用具】 | 支持体……シナベニヤ合板 熱い膠水……60℃前後に調整 刷毛 ……30mm幅 (60mm) サンドペーパー …… 180番 (150番可) 割り箸 ……1膳 |
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| シナベニヤの表面をサンドペーパーで多少荒らします。側面はきれいに整えておきます。 | |||
| 前膠は熱いままで施します。まず裏面から熱い(60℃以上)
膠水を塗り 始め、次に側面を塗ります。 |
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| 割箸を2本机上に並べ、表面を上にして板 を乗せます。表面に膠水を塗り、そのまま乾燥させます。 |
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<註>地塗り用膠は、上層ほど膠濃度を減らし更に膠液の温度を下げます。
これは、先 に塗った膠を再溶解させないためです。
できれば、一昼夜放置し、乾燥させること。
| 3.和紙着せ | |||
| 【処方】 | 膠・・・・・ 1 水・・・・・10 |
水100g中に膠10gを投入し、3時間以上膨潤させます。湯煎器に熱湯をいれ、膨 潤させた膠水を湯煎(70℃以下)します。 |
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| 【用具】 | 前膠済のシナベニヤ 和 紙 ……1枚 膠 水 ……前膠と同じもの 刷 毛 ……30mm幅 |
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| 暖めた膠水を刷毛でシナベニヤの表面塗り乾かないうちに和紙を合わせてのせます。空気が入らないよう掌で良く押えつけます。 | |||
| 板の側面にも膠水を塗り、和紙を側面にも貼り込みます。 | |||
| 同様に和紙を裏面に貼り込みます。 | |||
| 4.白亜地塗料の作り方 | |||
| 【処方】 | 膠 水 ・・・ 1容量 白 亜 ・・・ 1.2容量 酸化チタン・・・ 0.3容量 |
粉末部分は80%〜等量ぐらい | |
| 【用具】 | ボール ……300cc 前後 膠 水 ……50cc 天然白亜……60cc〜 酸化チタン ……15cc ゴムベラ 刷 毛 ……30mm幅 |
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| ボールに暖めた膠水をとり、白亜を少量づ つ膠水中へ振り入れます。 |
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| 次に酸化チタンをふり入れます。 | |||
| さらに水面近くまで白亜を振り入れたら静 かに10分ほど放置し、粉体と膠水がなじむのを待ちます。 |
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| 十分なじませた後、泡が発生しないように 静かに撹拌します。ゴムベラを使って、粗 い粉を丁寧につぶします。 あまり多く撹拌し過ぎると冷えて白亜が 固まってしまうことがあります。 |
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| 少量のお湯を加えて、濃度を調節します。 これを、白亜地塗料の原液といいます。 |
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| 5.白亜地の作り方 | |||
| 【処方】 | 膠 水 ・・・ 1容量 白 亜 ・・・ 1.2容量 酸化チタン・・・ 0.3容量 |
粉末部分は80%〜等量ぐらい | |
| 【用具】 | 和紙着せ済のシナベニヤ 白亜地塗料(原液) 湯煎用具 刷 毛 割 箸 |
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| 【工程】 | 和紙の膠が乾いた後、白亜原液により第1 層を塗ります。板の裏から白亜を塗り始め、 側面を塗り、割箸の上に前面を上にして置 きます。 |
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| 次に前面を塗るときは、手際よく気泡を残さぬようにします。気泡が生じた場合は、 指の腹でこすりつけ完全に塗り残しや気泡をなくします。多少のハケ目は気にしなく てもだいじょうぶです。 |
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| 第1層と同じ白亜液に水を少量加え、やや 薄い白亜液を作ります。タップリと白亜液を画面にのせ手際よく引き伸ばします。下層が剥げてこないよう微妙な力加減が必要です。 |
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| 第5層ないし第10層まで白亜を塗り重ねます(薄塗りの場合3層でよい)。上層の塗料ほど水を加えて薄めて使用します。 乾燥を待つときは、割箸等を支持体の下 に置き、通風をよくするとともに机面と支持体が台に着かないようにしておきます。 |
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| 最終層が生乾きの状態で水刷毛により表面 をならし、軽く支持体を落として平らに整 えます。 | |||
| <註>短時間の講習会では、濃度の濃い白亜液(原液に近い)を使用して3層程度で仕上 げます。亀裂や気泡の危険性が高まりますがとりあえずテンペラ絵具をのせる為の支持体 としては十分効果を発揮します。 <註>表面の磨きまでには一昼夜乾燥させます。充分に乾燥していないとサンドペーパー による磨きに耐えられません。 |
| 6.白亜地の磨き方 | |||
| 【用具】 | 白亜地塗り済のシナベニヤ サンドペーパー(No.180) 当て木 |
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| 【工程】 | 当て木にサンドペーパーを巻き、白亜地の 表面を平滑にします。 このとき、強く摩擦するように磨きを掛け ると、摩擦の熱で膠が熔け出すことがありますので、静かに行ないます。 |
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| 7.下絵のトレース | |||
| 【用具】 | 磨き済の白亜地支持体 原画(原寸コピー) 鉛筆(またはチャコペーパー) 木棒(または赤いボールペン) |
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| 【工程】 | 原画を基底材の大きさにコピーします。 | ||
| チャコペーパーを板の上に置き原画をテー プ固定します。 |
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| 赤いボールペンで原画をなぞり、主要な線 をトレースします。 力を入れ過ぎると線が太くなるので注意してください。主だった線、影、目などは特に念入りに。鼻の稜線や衣裳の折れ目などは線で目安をいれておきます。 |
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| 支持体から原画およびカーボン紙を一部剥がします。トレースの状態を確認し、充分であれば原画とチャコペーパーを剥します。 | |||
| この時、立体感の表現のための影などは画面の汚れにつながる為、不要です。 | |||
| 8.メディウムの作り方 | |||
| 【処方】 | 卵黄 ・・・・・ 1個分 混合技法画用液・ 約15cc 食酢(水)・・・ 約 8cc** ** 濃度は描きやすいよう多少調節することができます。 |
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| 【用具】 | 生卵・・・・・・・1個 テンペラ油性分*1・1瓶 食酢(水でも可)・適量 ビーカー(紙コップ)・1個 スプーン・・・・・1本 メディウム容器・・1個 ぼろ布・・・・・・少々 |
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| 【工程】 | 卵を二つに割り、白身とカラザをビーカの中へ取り除いて黄身だけをつまみ出します。 | ||
| 黄身を手のひらでころがし、ぬめりを除きます。 | |||
| 黄身の皮膜を摘み上げ、メディウム容器 上で黄身の底に穴をあけて、内容物を取 出します。 | |||
| 黄身の量と等量弱の混合技法用画用液を え、よくかき混ぜます。 |
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| 食酢を少しずつ加え、スプーンでよくかき 回します。一気に加えると分離することあるので注意を要します。 | |||
| フタ付き容器に入れ、冷蔵すれば1か月 保存が可能です。 |
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| *1:「テンペラ油性分」は、次の処方で作ります。 スタンドオイル 1 ダンマルバニス 2 油性分を含むテンペラに共通した材料としてクサカベで既製品をつくりました。 |
| 9.彩色の下拵え(インプリマトゥーラ) | |||
| 【用具】 | トレース済の白亜支持体 膠水 ビーカー 刷毛 水 |
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| 【工程】 | 地塗り用に調製した膠水をビーカーにとり、約3倍に薄めます。 | ||
| チャコペーパーでトレースした白亜支持体 の表面に軽く刷毛で薄めた膠水を1回塗ります。 |
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| 乾燥を待って彩色にはいります。 強く何回も同じところを塗ると、トレースした線が消えてしまうので注意します。 |
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| <効果>・トレースの線を定着するととも に、地塗層の吸収性を調節しテン ペラ絵具の乗りをよくします。 |
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| 10.絵具の溶き方 | |||
| 【用具】 | トレース済の白亜支持体 膠水 ビーカー 刷毛 水 |
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| 【工程】 | 溶き皿に顔料を必要量とり、水を滴下し 馴染ませます。指で練るように混ぜ合せます。 |
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| 次に、卵メジウムを適量(普通は水練り した顔料と等量)加え指でしっかりと練り あわせます。 |
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| 描く時に、水を加えて絵具の濃度を調節 します。 |
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| 《練りにくい顔料について》 クリムソンレーキやブラック、プルシャ ンブルーなどは水との馴染みが悪く、なかなか絵具になりません。これらの顔料を扱う場合には少量のアルコールを用いて顔料を湿らせた後、水と練りあわせます。 注:クサカベのピグメントには、水との馴染みやすさが表示されていますので、ランク『B』以下の顔料につきましては、アルコールによる処理を行なってください。 |
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| 11.描 画 | |||
| 【用具】 | トレース済の白亜支持体 膠水 ビーカー 刷毛 水 |
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| 【工程】 | 線 描 | バーントシェンナ等基調となる色を卵メ ジウムで薄く溶き、下絵の線を描きおこし ます。強弱を付けてデッサンしておくとよ いでしょう。 |
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| 下塗り | テンペラ画では、明るい色を下に置いて 塗り重ねると上層の絵具の発色が軽く鮮やかになります。 薄めに溶いたテンペラ絵具で透明水彩の ように絵具を置くことができます。 |
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| まだらの無い塗り方 | テンペラ絵具によるベタ塗では、刷毛目 やまだらを生じやすくなります。 均一でまだらの無い色面を得たい場合に は、テンペラ絵具に少量の白を混ぜておく とよいでしょう。 |
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| テンペラによるグラッシ | 油絵具と同様、テンペラ絵具でもグラッ シができます。油絵具で行うより、やや霞 のかかったような繊細な塗りになります。 テンペラ絵具を薄く溶き、下の絵具が起き ない用に注意して絵具を重ねます。 |
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| 肌色 | 肌身部の全面にテールベルトを薄く溶き 塗ります。肌の中間色はホワイト、バーミ リオン、イエローオーカーで調色し陰の部 分以外にハッチングで塗ります。 次にハイライトを描き起こします。さら に、陰の色をグラッシします。 |
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| 油絵具によるグラッシ | グラッシ液(1回目) グレージングバニス 1 容量 テレピン 5 容量 油絵具 少量 グラッシ液(2回目) グレージングバニス 2 容量 テレピン 5 容量 油絵具 少量 グラッシ液(3回目) グレージングバニス 3 容量 テレピン 5 容量 油絵具 少量 |
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| テンペラ絵具の水分が蒸発すれば、油絵具をのせることができるようになります。通 常は、厚く油絵具を置くのでは無く、グラッシのかたちで重ねていきます。1層目は油 分を薄く、2層目〜3層目と重ねるにしたがって濃くしていくのが普通で、絵具の乗り をよくし、下層の溶解を抑えます。絵具量は、発色を試しながら濃度調節します。 |
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| 12.仕上ニス掛け | |||
| 【用具】 | トレース済の白亜支持体 膠水 ビーカー 刷毛 水 |
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| 【工程】 | 作品は完成後、2〜3か月乾燥します。 | ||
| 艶を望む場合は、タブローを、半光沢の場合はマットバニスを塗布します。この時、1回のニス掛けでは、画面に艶が吸われてしまいますので、1日に2回ずつ、4〜5回までニスを掛けます。 | |||
| 乾燥を待って彩色にはいります。 強く何回も同じところを塗ると、トレースした線が消えてしまうので注意します。 |
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| テンペラ画は、卵を素材にした絵具による構 成ですので、湿気の多い日本においてはカビの 発生を免れることができません。完成後は、保 護ニスの塗布が望まれます。 |
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テンペラ用のニスとしては、クサカベ製の『タブロースペシャル』が適しています。