絵画用顔料 

方法

解説

代表的な素材

色土からつくる

 顔料は、色をもった粒子です。赤土や黄土はそのままでも顔料として利用できます。
 作品制作のための絵具と考えると、掘ってきたばかりの色土では発色面と保存面で問題があるでしょう。               
 まず、水に溶けてしまうような成分や有機物、ゴミなどを分離しなくてはなりません。色土をお湯に入れ、溶け出すものや水面に浮くものを除去します。何度か洗いを繰り返し上澄みがきれいになったら水を捨て、沈殿を平らな場所に広げて乾かします。乾いたら、目の細かい篩いにかけ、粒子を整えてでき上りです。

白 土(スパニッシュホワイト…)
黄 土(イエローオーカー、ローシェンナ…)、
赤 土(レッドオーカー、テラローザ、インディアンレッド)
緑 土(テールベルト、アースグリーン)
褐色土(ローアンバー、カッセルアース…)

・・・

土を焼く

 天然の土をそのまま顔料化して使うだけではなく、焼くことによって新たなる色を作ります。

 

バーントオーカー(イエローオーカー焼成:赤茶)
バーントシェンナ(ローシェンナ焼成:赤茶)
バーントアンバー(ローアンバー焼成:焦茶)

鉱物からつくる

 鉱物を原料として顔料を作るには、多少の道具が必要です。昔は、ハンマーで砕き、乳鉢で微粉砕していました。たいへんな手間であったと想像されます。現在は、ジョークラッシャーのような粉砕機で粗方の作業を行い、ポットミル等を用いて微細な粒子に仕上げます。その後、分級という粒子の大きさ毎に分ける作業を行い、絵画用の鉱物性顔料が作られます。
                  
        
 ルネッサンス期の絵画用顔料

ラピスラズリ
アズライト
マラカイト
オーピメント
辰砂
・・・

植物からつくる

 植物から直接顔料を作ることはできません。植物からとった色素を白色の体質顔料に沈着させて粒子化し、顔料にします。
 茜から作られるマダーは、アルミナホワイトにレーキ化されて染め付けられ、レーキ顔料となります。
                           

マダー
ガンボージ

動物から作る

 動物から作られる顔料も植物から作られる場合と同様、直接顔料を作ることはできません。動物からとった色素を白色の体質顔料に沈着させて粒子化し、顔料にします。

コチニール
インディアンイエロー
・・・

ものを焼いて作る 

 木を不完全燃焼させると木炭ができます。   
木炭は、デッサンにも使われますが、絵具にも使われる黒の代表的な顔料です。        
 煮炊きをした後の焚き火の燃え残りに木炭ができていたことは容易に想像されます。何かイメージを伝える手段として、地面に棒で線を描くだけでなく、木炭を色として表現することもあったのではないでしょうか。     
 肉を焼いた後には、炭化した骨もあったでしょう。これを黒色顔料として使用すると、    
透明性で温かみのある顔料ができることを見つけるのも、そんなに難しいことではなかったでしょう。                 
 炭化した物質は、黒色顔料として今でも多く利用されています。現在の工業的生産方法では、灯油を不完全燃焼させて大量に煤を取っています。アイボリーブラックを使用している人は、焼かれた動物の「お骨」をキャンバスに塗っているのです。 

カーボンブラック
ボーンブラック
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人工的に鉱物を作る
(合成顔料)

酸化反応
 
理論的には物を焼いて作ることと変わりませんが、金属を酸化させて作るような場合を指します。
 ジンクホワイトは、金属亜鉛を反応炉で酸化させ、酸化亜鉛を作ったものです。

人工的に鉱物を作る
(合成顔料)

沈殿反応
 カドミウムイエローは、硫酸カドミウムの水溶液と硫化ナトリウムの水溶液を混合し、沈殿反応によって得られます。沈殿は水で洗浄され、焼成工程、粉砕工程を経て顔料となります。少量の亜鉛成分を加えると明るいレモン色調となり、セレンを加えるとその量によってオレンジから赤、深赤色、さらにパープル系の色まで発色します。

人工的に鉱物を作る
(合成顔料)

焼成反応
 ラピスラズリは、ウルトラマリーンとして19世紀に合成され工業的に均質のものを大量生産できるようにました。もはや、希少な鉱物を砕いて顔料を作るという手間はなくなりなりました。
無機顔料の分類で、主要顔料の多くが酸化物の形で存在していますが、これも人工の鉱物質であり、鉱物同様の耐久性があります。コバルトブルーは、酸化コバルトと酸化アルミニウムという物質を適量混ぜ合わせ、高温(1100℃前後) で焼き発色させたものです。コバルトとアルミの比率により、明るい青から深青色まで自由に変化させることができます。高温で焼かれてできるため「焼成顔料」といいます。
こうして作られる合成無機顔料は、絵具の原料として優れた性質をもっています。

コバルトブルー
セルリアンブルー
コバルトバイオレット
チタニウムイエロー
ビスマスバナジウムイエロー
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顔料の分類

ルネッサンス期の顔料

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