Web 句 会 入選発表
<1月25日〆切> 課題 「愛でる」 入選発表
<選 者> 尾藤 一泉 <入選作品>
ピカソという画家の名前だけで「名画」と評されることもありますが、その絵から感じられるのは、名画独特の癒しではなく、ピカソの強い主張が鑑賞者に「敵意」を向ける。脱帽の句。
真に愛でるとは何かをアイロニカルに表現した作品。ニンゲンのエゴは、「愛でる」といいながら、実のところ「檻」に入れて自由を奪う。この自己矛盾は青い鳥ばかりではない。
朝鮮語の音を取り入れた異色の作品。最高の権威、最高の人格として崇めなければ成立たない国で、民の命は、その幻想の人格にぶら下がっている。風刺性が強く感じられる。
わたしも良く判る年になりました。自分では直接見ることのできない後頭部の髪の毛は、いくらいとおしんでも足りなくなる年代がやがてやってくる。日常の中のユーモアある風景。
「歌は世に連れ」とは、かつての名司会者のコトバだが歌は同じ時代を生きた者にとって共感媒体となる。自分と同じ歌を歌いつづけることを忘れない妻への愛情が句の言外に滲む。
<総評>「愛でる」は、とてもハイレベルな作品が揃い、選をする側でも楽しませてもらいましたが、ピカソの「敵意」は、絵をよく知り、絵が好きな方ならでしか言えない深いものがあった。「青い鳥」もいい視点で捉えていたが「愛で」と読み込んだところに「ピカソ」を超えられなかった。 舌先を転がし愛をたしかめる 冨士男 ちょっと破礼句的要素を秘めているのでしょうか。ユーモアは、言外に表現するものです。 目を細め不肖の息子ですという 迷留 よく父親の愛情が滲んでいます。やや、題材として新鮮味に欠けたようです。 不細工な庭園ですが俺の作 いさおくん ぶっきらぼうのようですが、よく人情が出ています。不細工であろうと何であろうと、自分で手がけた庭の愛しさは、他人に判らなくても十分楽しめますね。 幼子(おさなご)の手を止め愛でる親心 星野 華図 気持ちは良く判ります。しかし、「愛でる」という題で「親心」の一般的な風景を持ち出しただけでは、やや説明的になってしまいます。一歩離れて、その親子の情愛の根源を見つけると、もっともっと深い句になると思います。 その他のみなさん、ありがとうございました。 <賞 品> 上記入選5名の方には、尾藤三柳の著書を差し上げます。
46名の皆様、ご投句ありがとうございました。