Web 句 会 入選発表
<12月25日〆切> 課題 「締める」 入選発表
<選 者> 尾藤 一泉 <入選作品>
お隣の国の偉い方は、目配せひとつで人の命を左右する。特権階級はまだよいが、国民の多くは、総書記の眦の動き一つで、その細い頚が締められてしまう。目の利いた作品。
特選と同想。「餓え」は、言わなくとも首領様で誰のことかは分る点で、ややアピールに欠けた。こちらは「あきらめる」と読んだ場合の句で、特選の「しめる」との対比がおもしろい。
同じ「しめる」でも日常的な視点の作品。粉飾とまではいわないが、私も自営になって申告するようになると白粉(おしろい)の少しも塗りたくなる。「締める」を読込まない佳句。
「1000円亭主」といわれたのは随分前の世相だが、最近はワンコイン=500円と目減りしたのか。100円ショップも流行る今日、ワンコインの力は、そう馬鹿にしたものでもない。
2007年は、団塊世代の一括リタイヤの年でもある。社用族の頃はまだよかったが、入る部分が限られるとサイフの紐も硬くなるばかりでなく、それ自体が小さく見えるのは気のせい?
<総評>「締める(しめる)」と「諦める(あきらめる)」の二つの意味があり、出題側のミスでしたが、両方とも採用いたしました。入選5句は、いずれも題を「読込まず」に作っています。動詞の題の場合は、読込むか読込まないかは半々の考え方ができますが、この場合には読込まない方が深い句になったようです。 投稿のポストポトリと音がする だっ平 は、これだけで「締める」の風景が描かれました。 締め切りをいつも気にする小説家 まるこ は、やや当り前の既成概念で、もっと締めるものを見詰めた自分の<目>が大切です。 着信あり 締めた未練に 灯がともり とむちゃん 「諦め」と「未練」は似た思い。一句の中で詰め込みすぎると句意が混乱します。また、「灯」は「ともる」と決まっています。このコトバの重なりを修正すれば、 諦めた掌に着信の新たな灯 のようにすると、ギクシャク感がなくなります。和宮さん、さくらつきこさん、冨士男さん、そしてその他のみなさん、ありがとうございました。 <賞 品> 上記入選5名の方には、尾藤三柳の著書を差し上げます。
46名の皆様、ご投句ありがとうございました。