文京川柳会 11月例会

平成21年11月18日    文京区民センターにて

「鳥」     尾藤 一泉 選 (抄録)

 <秀 逸>
猫八の口の中には鳥が住み

 <佳作>
トキにとり佐渡はいよいか住みよいか  

ささくれた空気の向こう二羽の声 
とりの市落選議員二本買い 
水たきの味ひきしめる放し飼い 
翻るスカート鳥のよに踊る 
おとりさま待つ日も楽し赤鼻緒 

何不自由なく愛されるカゴの鳥 
楽でいい出たくもないと篭の鳥 
空をとべ酉年の孫たかとなれ 
目覚ましのように雀に起こされる 
七面鳥ジングルベルに総毛立ち 
政界にいつも棲みつく風見鶏 
ジタバタとするのはニワトリのみでない 

 


栄 七


あさじ
 

敏 子
栄 七
あさじ
晏 ね
さちこ

つぼみ
昭 邑
ふくよ
牛 歩
みその
三 川
文 泉


 

 

 

互選 「栄える」

E点 箱物も繁栄きわめ負の遺産
D点 大不況職安だけが栄えてる

A点 繁盛の待合室は熱帯魚

@点  新型の店舗栄えて老舗消え 
@点 灯はおどり平成の子ら舞い歌う
@点  ミシュランに惑う行列さらに伸び 

    デパートの繁盛階は特価市 牛歩
    ウイルスが求めさ迷う繁殖地 三川
    不況にも商売繁盛低い腰 あさじ
    日の丸と君が代ひびく五輪戦 みその
    繁栄の証しのようなこの夜景 栄七 
    子沢山一夫一婦の法が邪魔 枇杷子
    小泉で延びた命も遂に尽き 文泉
    壇ノ浦平家も源氏も海の底 さちこ
    古着でも着方をかえて新品に 敏子

佳奈子
昭 邑


晏 ね

好 舟
ふくよ
つぼみ

判りやすく共感の票が集まったが、既成概念から出ていない。

タイムリーなテーマ。クシャミノ後のゾクゾクは作者も逃げた人も。
無表情に気味の悪さ。光と影の対比にゾクゾク。

やや作りすぎ。ゾクゾクを超えてしまった。
わかりやすい。題意の表現はまずまず。
肯定的気分のゾクゾクだが、下五が締まらない。
表現がやや不明瞭。
判る気がするが、下五に糸が感じられない。
ゾクゾク続く方。言いたいことが言い切れず。
「はて」ではなく「か」。不確実性の未来がゾクゾク?
題詠としてはいい。題材が常套的。

コメント:ここへきて、急に作句力がしっかりしてきた。言いたいこと、表現のテーマが明確になってきているためと思うが、あきらめずに、回を重ねてきた成果であろう。数を作ること、数多く読むことから、進歩はさらに加速すると思う。講座における知識の吸収と、日常からの社会や人間への好奇心が、どんどん上手くなる要素となる。文京川柳会も頼もしくなってきた。

第5回例会