初代川柳の句
出典 備考
 上つけておしや切れ行く凧 万句合の追善句
天明3年3月19日開キ
雨譚の子李牛の追悼句
 世におしむ雲かくれにし七日月 『柳筥』 初篇 天明3(1783)年 雨譚の子李牛の追悼句
 今ごろは弘誓の舟の涼かな 『柳筥』 二篇 天明4(1784)年 李牛の一周忌追悼句
 木枯しの後で芽をふけ川柳 寛政2年9月23日 辞世

 初代・柄井川柳の作品として解説されているものの多くは、『柳多留』から抜書きされて川柳作品とされたもので、今日では、古川柳研究家の力によって『柳多留全集』とその索引が整備され、出典のまちがいについては明確になった。
 川柳が、生涯に作句し、確かな記録があるのは上から3句だけで、伝承の@や句碑にもなっている辞世の句については確証がない。
 初代川柳は、点者(選者)であり、作られた3つの追悼句はいずれも「川柳(前句附)」ではなく「発句」とみるべきであろう。