川柳は自他を笑う詩である |
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「川柳とは笑いの文芸である」とか「川柳には風刺がなければならない」などとよくいわれますが、この言葉が必ずしも正確に理解されているとはいえないようです。たとえば江戸川柳を、現代の平均化された目から見れば誰でもが笑えますが、笑う立場と、笑われる立場がはっきりしていた当時にあっては、すべての人に共通の笑いではなかったし、一見「風刺」と見えるものも、自分より下に視線を向けたいわばカラカイの性格が強く、これを「うがち」と呼んでいました。 |